天使の絵との出会い

わたしがまだ仕事を始める前、
ひとつの絵に出会いました。
アメリカのアーティスト、今は亡きアンディ・レイキさんの作品。
彼は、臨死体験後、生涯をかけて「天使だけ」を描き続けた画家です。
どうしてそこまで惹かれたのか、言葉にはできないけれど、
私は、その天使の絵を海外から輸入し、
やがて、代理店として活動する前から、
自然な流れで、その世界の中に身を置くようになっていました。
宇宙の言葉のような大作との出会い
ある日、日本で開かれた個展で、
ひときわ大きな天使の絵(120×120センチ)に出会いました。

無数の正方形のピースに、
光の文字のような天使の言葉が描かれていて、
その中心には、静かに角を掲げるサイの姿。
まるで「宇宙の言葉」のような、
目には見えないけれど、確かにそこにある響きたち。
その絵は、アンディさんが一年以上かけて描いた大作でした。
不思議なご縁で、私のもとにやってきてくれたのです。
絵が守ってくれていた日々
この絵は、ただの装飾ではありませんでした。
当時運営していたセレクトショップでは、
いつも店の空気を守ってくれる存在であり、
訪れる人がその絵の前で立ち止まる絵でした。
移転後の店舗でも、
まるで空間の結界のように流れを整えてくれていた気がします。
現在は、わたしのリビングに飾られ、
そのサイの瞳は、今も変わらず私を見つめてくれているようです。
絵のこれからと、わたしの旅
でも──
この絵はこの先、どこへ行くのでしょうか。
家を出るのか、
新しい場所へ旅をするのか、
それとも、
わたしの内側の“もっと奥”へ繋がっていくのか。
答えはまだわかりません。
けれどたしかなのは、
この絵が「守る」だけでなく、
これからは「導く」存在になっていく、と感じています。
不思議なのですが、アンディ・レイキさんは天使と契約していて、
所有する人に、必要な体験が起こることで有名です。
もしかすると、
その絵とともに、
私の中にあった“言葉になる前の感覚”が、
また動き始めているのかもしれません。
わたしはこれから、
この絵が見てきたすべてと、
あらたな旅へ向かってみようと思います。
光のなかの言葉たちとともに
サイの角が指し示す、その先にあるもの──
それを信じて、今を生きていきたいと思います。
この絵の中には、無数の言葉が在ります。
それは「天使の言葉」だと思っていたけれど、
今、私は気づきました。
これは、“光のなかの言葉たち”だったのだと。
目に見えない記憶や、
魂がまだことばを持たなかったころの響き。
サイの角が静かに示すその方向へ、
わたしは、また歩き出していきます。
仏教のことばに重ねて
犀の角のようにただ独り歩め」
これは仏教の言葉で、
「群れに属さず、自分の道を進むように」という意味です。
今の私には、この言葉が、
絵のサイと重なって響いてきます。
この天使の「言葉」、
またどこかで皆さんにお披露目できることを願っています。