見えないけれど、そばにいる

夢に現れた、愛のサイン
ある日、夢の中で私は不思議な光景を見ました。
そこに現れたのは、亡くなった義父と、パートナー。
遠くに見える、祭りの提灯が照らす光の中へ、静かに二人で歩いていくその姿を
私はただ見守るしかありませんでした。
楽しげな雰囲気が漂う中、なぜか、ついて行ってはいけないと心の中で強く感じました。
光に包まれていた、やさしい眼差し
また別の日の夢では、
パートナーと子どもたちが神々しい光の中に包まれていました。
その穏やかな眼差しは、言葉を交わさなくても「大丈夫だよ」と伝えているようでした。
彼らはとても仲睦まじく微笑み合い、私の方を優しく見つめています。
光の中で幸せそうに寄り添う姿は、この世を超えた安心感に満ちていて、私は不思議と心が落ち着きました。
夢を通して、彼らの魂が私に何かを伝えようとしているのを感じたのです。
現実に届いた、もうひとつのサイン
パートナーの葬儀の日。
斎場へ向かう車の中で、私は偶然にも
彼の誕生日と同じナンバープレートの車を目にしました。
「こんな偶然があるだろうか?」
驚きながらも、どこかで「これはサインかもしれない」と感じていました。
そして、帰り道もまた、目の前の車のナンバーが、彼の誕生日でした。
まるで「そばにいるよ」と語りかけてくるような、愛のサインに胸が熱くなりました。
夢の中の言葉─もう死んだから
さらに、ある日見た夢の中で、パートナーは私の前に立ち、静かにこう言いました。
「もう死んだから。」
その言葉はとても淡々としていて、悲しみや迷いを感じさせませんでした。
彼はさっぱりとした表情で踵を返し、迷いなく去っていきました。
寂しさはあったものの、その後ろ姿は未練を残さず旅立つようで、私は不思議と安堵しました。
「もう向こうで穏やかにいるんだな」と、心からそう思えたのです。
時を超えて、つながる感謝
パートナーが遺した靴には、おしゃれで新品に近い靴がたくさんありました。
誰にも合わなかったその靴が、いまのパートナーにだけ、ぴったりと合いました。
捨てるのは偲びないと、彼がその靴を履いていると、不思議な夢を見たそうです。
そして彼は、夢の中でその靴の持ち主──前のパートナーと出会い、
「大切にしてくれてありがとう」と言葉を受け取ったのです。
愛は、形を変えて寄り添ってくれる
会ったことのない二人が、夢の中でつながった瞬間。
確執も嫉妬もなく、ただ感謝だけがそこにあることに、
私は胸を打たれました。
目に見えることや、一時の感情で判断することは、時に本質を見失わせるもの。
人も、物も、時間を超えてすべてが繋がっているのだと。
愛は消えることなく、
形を変えて、そっと寄り添ってくれる。
そう信じられるようになったのです。
人はいつか、この身体を脱ぎ捨てる時がきます。
そのときに、自分はどんな思いがよぎるのだろうか。
思っているよりも、人生は早くすぎていくもの。
今、何をしたいですか。
大切なものはありますか。
たまには、そんなことを考えてみる時間が必要かもしれません。