セッション受付中|今年は、静岡(浜松市)でお会いします。

「ネコの美しい旅立ち」~魂と肉体が別れる瞬間

祈りを捧げる女性と見つめ合うオレンジ色の猫のアニメ風イラスト
目次

食べることをやめた猫と、お迎えの予感

長年一緒に過ごした愛猫が、穏やかに旅立ちました。
その最期の瞬間は、悲しさよりも深い感謝と愛に満ちたものでした。

高齢になった猫は、ある日から何も食べなくなりました。
水だけは少し飲むものの、徐々に痩せていき、歩くのもつらそうに。

それでも、排泄のときには、痩せ細った体を引きずるようにして、
決まったトイレまで歩いて行く姿は、
まるで猫としての誇りと尊厳を貫いているようでした。

しかし、排泄を終えると力尽きたように、
トイレでぐったりと横たわる姿に、別れの時が近いと感じました。

その夜は、苦しそうな呼吸をしていたため、
「今夜が峠かもしれない」と思い、猫の横で朝まで寄り添って眠りました。

魂が戻ってきた奇跡の瞬間

朝になり、パートナーが仕事に行く前に、猫をそっと抱き上げました。

すると猫は、
苦しそうに呼吸をしていた状態から、突然、大きく口をパカンと開けました。
顎が外れるのではないかと思うほどで、まるで息を引き取るかのように見えました。

「もう逝ってしまったのかもしれない…」
そう思った瞬間、思わず猫の名前を、二人で何度も何度も呼び続けました

すると、
なんと、猫の両目に光が差し込んだのです。
まるで魂が一度戻ってきたかのように。

目には生気と輝きが戻り、
猫は一瞬だけ再びこの世界に存在しました。

その瞬間、猫は私たちに「さようなら」と語りかけるように見えました。

肉体と魂が別れる瞬間に立ち会って

けれど、ほどなくして、
猫の目から正気がすーっと抜けていきました。

目の光が消え、
肉体だけがそこに残されたことがはっきりとわかりました。

「今、魂と肉体が完全に別れたんだ…」

その瞬間、胸の奥に不思議な静けさが広がりました。

猫は、無理なく、自然に、尊厳を持って、
一人で亡くなるプロセスを見せてくれました。

私たちはその姿から、死を悲劇としてではなく、
美しく尊い旅立ちとして見送ることができました。

別れの先に広がる愛と感謝

猫は、その生き様と、未知の領域への旅立ちを通して、
死への恐れとは何か、生きることについて深い問いかけを残しました。

悲しみよりも、「ありがとう」の気持ちが胸いっぱいに広がります。

命の終わりは決して終わりではなく、
次の旅への扉なのだと、猫はその姿で静かに教えてくれたのです。

愛しい猫へ。
あなたが見せてくれた美しい旅立ちの瞬間を、私は一生忘れません。
ありがとう。ずっと、ずっと大好きだよ。

おわりに


ときに、動物はその姿をもって、
私たちに、忘れている大切なことを思い出させてくれます。

自然の流れに逆らわず、生きていくこと。
そんな問いかけが、今も心に残っています。

あなたの側にも、
大切な小さな家族の一員があなたの側にもいますか。

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